住宅改修と制度
住宅改修
在宅介護のための住宅改修では、介護保険制度やその他制度を利用することで、改修工事後、一定の費用が払い戻されるサービスが適用されます。ここでは住宅改修と公的制度についての概要を説明いたします。
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- 居宅介護(支援)住宅改修費支給申請
- ●対象となる人
- ・要支援、または要介護1〜5の認定を受けた方。
- ●対象となる改修6種類
- a) 手すりの取り付け
b) 段差の解消
c) 滑りの防止、移動の円滑化などのための床または通路面の材料の変更
d) 引き戸などへの扉の取り替え
e) 洋式便器などへの便器の取り替え
f) その他、各改修に付帯して必要な改修 - (注1) 新築の場合は対象となりません。
(注2) 増築の場合は、新たに居室を設ける場合などは対象となりません。
(注3) 本人又は家族等が改修した場合は、材料費が対象となります。 - ●住宅改修費の支給額
- いったん費用の全額を払い、申請により支給限度額の9割分が払い戻されます。
支給限度額 20万円 (一人の上限です。)
自己負担 1割分 (20万円の場合は2万円) - (注1) 20万円以内であれば、何回かに分けて工事が出来ます。
(注2) 一の住宅に二人以上の対象者がいる場合は、40万円まで支給の対象となります。
(注3) 要介護度状態が3段階以上上がった場合は、新たに20万円が支給の対象となります。
(注4) 転居した場合は、新たに20万円が支給の対象になります。
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- 居宅介護(支援)住宅改修費支給申請以外の制度
- 1.障害者住宅リフォーム助成制度
- (補助制度を設けている市町村とそうでない市町村があります。ご注意ください。)
- ・ 障害のある人の身体状況に適した住宅にリフォームする際の経費を助成します。
- ●対象者となる人
- ・ 身体障害者手帳の個別等級1、2級または療育手帳Aの所持者
- ●申請にあたっての条件
- ・ 申請者は、対象者または対象者と市内で同居している人
・ 家族の総収入が600万円未満であること
・ 対象者またはその親族が対象の住宅を所有していること - ●補助基準額
- ・ 補助基準額に次の区分による割合を乗じて得た額(千円未満切り捨て)
- ・ 生活保護世帯 10分の10
・ 所得税非課税世帯 4分の3
・ その他世帯 2分の1 - ●申請に必要なもの
- ・ 補助金交付申請書
・ 所得等調査承諾書
・ 工事図面および見積書
・ 着工前の写真(日付入りのもの) - ●その他
- ・ 着工前に申請が必要です。
・ 手帳を新規取得手続き中の人も申請できます。
・ ただし、手帳交付時に障害者住宅リフォームの助成要件に該当しなかった 場合には、助成対象外となります。 - 2.高齢者・障害者向け住宅整備補助事業
- (補助制度を設けている市町村とそうでない市町村があります。ご注意ください。)
- ・ 高齢者や身体の不自由な人向けに住宅の改造 などをした際に、市町村が その経費の一部を補助する制度を実施しています。
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- 介護保険制度とは
- 介護保険の運営は市区町村(保険者)が行います。40歳以上の方が利用者(被保険者)として介護保険に加入し、決められた保険料を納めることが義務となっています。
- 国民が介護保険料を支払い、その保険料を財源として要介護者に介護サービスを提供する、身体機能のおとろえや認知症などにより、介護を必要とする高齢者を社会全体で支える新たな仕組みとして2000年4月より介護保険制度が導入されました。
- 介護サービスの利用にあたって、まず被保険者が介護を要する状態であることを公的に認定(要介護認定)する必要があります。 そして、要介護・要支援と認められれば、実際にかかった費用の一割を自己負担するだけで、さまざまな介護サービスを受けられるようになります。
- 自分の申請で介護サービスを受けることができ、要介護者が自ら介護サービス事業者と契約を結ぶことになります。
| 対象者 | 第1号被保険者 | 第2号被保険者 | |
|---|---|---|---|
| サービスを利用できる人 | ①寝たきりや認知症などで常に介護が必要(要介護状態)な方 ②常時介護は必要ないが、家事や身支度など、日常生活に支援が必要(要支援・用介護状態)な方 |
初老期認知症、脳血管疾患などの老化が原因とされる16種類の特定疾患により要介護状態となった方 | |
| 保険料と支払方法 | 所得段階に応じて市町村が保険料を設定する。 (支払方法) 原則として老齢・退職年金からの天引きになります。 |
加入している医療保険の算定に基づいて保険料を設定します。なお、保険料は半額は事業主または国が負担します。 (支払方法) 加入している医療保険の保険料に上乗せして一括徴収。 |
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第1号被保険者(65歳以上の方)
・第1号被保険者には、65歳の誕生日の前日までに介護保険被保険者証が送られてきますが、医療保険のように保険者証をサービス提供事業所に持って行っても、サービスを利用することができません。
・保険者である市区町村に要介護認定を申請し、要介護1〜5、要支援1、2と認定されてはじめて利用できます。ご注意ください。
第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)
・要介護認定または要支援申請を行った方と被保険者証の交付を求めた方だけに被保険者証が交付されます。
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- 介護保険制度の特定疾病
- 第2号被保険対象者であっても、下記の特定疾病(16種類)によって「要介護」や「要支援」になられた場合には、介護保険のサービスがご利用できます。
2011/08/01現在 ①がん末期 40歳〜64歳までのすべての末期がん。医師が回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る ②関節リウマチ 全身の関節が多発性に炎症を起こす疾患。 ③筋萎縮性側策硬化症 両手の脱力と指の運動障害から始まり、徐々に筋肉が萎縮する。 ④後縦靭帯骨化症 上肢のしびれや痛みがみられるようになる。 ⑤骨折を伴う骨粗しょう症 閉経後の女性に多く、進行すると骨折の原因となる。 ⑥初老期における認知症 アルツハイマー・ピック病・脳血管性認知症・クロイツフェルト・ヤコブ病などが主なものです。 ⑦進行性核上性まひ・大脳皮質基礎核変質症、およびパーキンソン病 手足の震え・筋固縮、動作がゆっくりとなる。体のバランスの悪化などが出現する。 ⑧脊髄小脳変性症 ゆっくりと歩くとふらついたり、言語が不明瞭になる進行性の疾病。 ⑨背柱管狭窄症 4肢のしびれ、筋力低下、歩行障害などの症状がみられる。 ⑩早老症(ウェルナー症候群) 年齢に対して老化が著しく進行している遺伝性の疾患。 ⑪多系統委縮症 オリーブ橋小脳委縮症、線条体黒質変性症、シャイドレーガー症候群という3つの病名の総称したものです。 ⑫糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害 糖尿病の合併症。 ⑬脳血管疾患 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などにより、脳のある部分への血流が中断される疾病。 ⑭閉塞性動脈硬化症 下肢のしびれなどが見られる。 ⑮慢性閉塞性肺疾患 肺気腫・慢性気管支炎・気管支炎喘息等進行すると安静時にも呼吸困難を自覚するようになる。 ⑯両側の膝関節、または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 関節に炎症が起こり、痛みをもたらす疾病。
住宅改修の重要性 〜よりよい住宅改修のために〜
住宅改修
お年寄りの住生活に対する意識調査については、これまでも多くの調査機関からの報告がありますが、これらに共通していることは、次の3つです。
(1)自分が長く生活してきた場所にそのまま住み続けたい。
(2)同じ場所に住み続けることにより、近隣との交流を続けたい。
(3)たとえ「寝たきり」になっても自宅で生活したい。
つまり、住宅に大きな期待がかけられているのです。こうした希望は、実は何もわが国に限られたことではなく、ほとんどの国でそうであり、それまでの住宅に住み続けることこそが、お年寄りの希望であると同時に現実的な解決策といえます。
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- 居宅介護(支援)住宅改修費支給申請
- ■住宅のデザインの問題
- ●住宅内に多い段差
- 玄関の敷居、上がりがまち、廊下と和室、洋室と和室、脱衣室と浴室など、住宅内のあちこちに段差が見られます。それが、お年寄りの生活動作を著しく不便・不自由にし、ときには転倒事故の原因にさえなっています。
- ●介護する際に支障の多い伝統的なモジュール(尺貫法)
- かつての尺貫法の影響がきわめて強いことに関連して、設計者がこれまで常識として決めている廊下、階段、開口部等の幅員では狭いために、介護を必要とするお年寄り、福祉用具を使用するお年寄りの室内移動に適していません。
- ●狭い住宅面積
- 室面積が狭いことに加えて、家具類の使用によってますます狭くなり、介護を必要とするお年寄り、福祉用具を使用するお年寄りの室内移動を困難にしています。
- ●身体的に負担のかかる和式の生活様式
- 和式の生活様式(床座の生活、トイレでの立ったりしゃがんだり、和式浴槽をまたいで入る等)は、お年寄りの身体機能から考慮すれば不向きです。
- ●防寒に不十分な住宅構造
- 日本の住宅は「夏に合わせて」造られているために、冬季の寒さには向いていません。室内の温度差が大きいために健康面にも問題があります。これらは、お年寄りが障害をもったときにますます問題となってきます。
- ●福祉用具を導入しにくい住宅構造
- 身体機能が低下してくると、どうしても介護が必要になったり、杖・手すり・車いす等の福祉用具を活用することになりますが、以上に述べた住宅構造上の制約からその効果を十分発揮し得なかったりすることが多くなります。
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- 日常災害事故の多さ
- 平成19年度において、家庭内における主な不慮の事故の死亡は全体で12,415人あり、このうち65歳以上の高齢者が9,683人となっています。また全体に占める比率も約78%ときわめて高い割合です。家庭内という一見安全と考えられているところで、このように多くの死亡事故が発生しているのは問題です。
- しかも、この家庭内事故による死亡構成割合のうち、
- ●浴槽内での溺死及び、浴槽内への転落による溺死・・・26.6%
●スリップ・つまづき及びよろめきによる同一平面上での転倒・・・9.4%
●階段・ステップなどからの転落・転倒及び建物などからの転落・・・6.7% - その他、火傷、ガス中毒等も含めると、住宅に起因していると思われるものが半数を占めています。
- これは、現在の住宅構造が、高齢者の存在を前提にしておらず、必ずしも高齢者による居住に適していないことを示しています。しかも、高齢者の事故の多くは、ケガからの回復が長引き、結果として行動能力の低下につながっていることも否定できません。


